国内でのがんゲノム医療の進展に伴い、2019年6月には「がん遺伝子パネル検査」が保険収載されました。また、「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太方針2019)では、「がんの克服を目指した全ゲノム解析等を活用する」とされ、「数値目標や人材育成・体制整備を含めた具体的な実行計画を、2019年中を目途に策定する」とされました。がんゲノム医療の推進により、より多くのがん患者に有効な治療が届くことが期待されています。
一方で、「骨太方針2019」でも、「ゲノム医療の推進に当たっては、国民がゲノム・遺伝子情報により不利益を被ることのない社会を作るため、必要な施策を進める」とされているように、国民が雇用分野、保険分野において遺伝情報により差別を受けることがないようにする法規制も必要です。欧米ではすでに、米国のGINA法(遺伝情報差別禁止法)をはじめ様々な法規制がありますが、国内では、遺伝情報に基づく差別を直接禁止する法規制は存在していません。全国がん患者団体連合会では昨年12月に、「ゲノム医療の適切な推進並びに患者等の社会的不利益からの擁護を目的とする法規制を求める要望書」を厚生労働省に提出し、国内での法規制や実効性のある対策を求めてまいりましたが、そのあり方を考える院内集会を開催しますので、お知らせいたします。
日時:2019年12月5日(木)15時~16時30分
会場:参議院議員会館1階102会議室(東京都千代田区永田町2丁目1-1)
対象:全国がん患者団体連合会加盟団体、関心のある国会議員の皆さま、並びに報道関係等の皆様
■15:00~15:10(10分)
開会のご挨拶
■15:10~15:25(15分)
講演「全ゲノム解析時代におけるがんゲノム医療の推進について」
間野 博行 氏(国立がん研究センター研究所長)
■15:25~15:40(15分)
講演「ゲノム情報に基づく差別に関する法制度のあり方について」
横野 恵 氏(早稲田大学社会科学総合学術院准教授)
■15:40~16:10(30分)
ディスカッション「がんゲノム医療の推進と患者等の社会的不利益からの擁護について」
◯司会:天野 慎介(一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長)
◯パネリスト
桜井 なおみ(一般社団法人CSRプロジェクト代表理事/全国がん患者団体連合会理事)
田中屋 宏爾 氏(国立病院機構岩国医療センター/リンチ症候群患者家族会ひまわりの会)
間野 博行 氏(国立がん研究センター研究所長)
丸山 慧 氏(厚生労働省健康局がん・疾病対策課がん対策推進官)
横野 恵 氏(早稲田大学社会科学総合学術院准教授)
■16:10~16:30(20分)
国会議員の皆さまよりご挨拶