▲がん対策基本法改正案 難治性、希少がん明記へ 研究促進盛り込む(毎日新聞)
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「がん対策基本法改正案」について、全国がん患者団体連合会では平成27年6月に「がん対策基本法に関する要望書」を与野党からなる超党派議連「国会がん患者と家族の会」や厚生労働大臣、がん対策推進協議会などに提出しました。また、平成28年4月に議連から改正案が公開されてからは、
1)がん対策基本法改正案の早期成立
2)がん患者や家族に対する社会的支援の追記
3)小児がん・難治がん・希少がんへの対策の追記
を求めて要望活動をしてまいりました。
議連では、平成28年4月にパブリックコメントを実施し、5月に開催された議連総会では、寄せられた意見の多くは「社会的支援を盛り込むこと」「小児がん・難治がん・希少がんへの対策を盛り込むこと」との報告がありました。改正案では、上記2)の「社会的支援」については、「がん患者に関する国民の理解が深められ、がん患者が円滑な社会生活を営むことができる社会環境の整備が図られること」との条文が加えられ、上記3)の「小児がん対策」については、「国及び地方公共団体は、小児がんの患者その他のがん患者が必要な教育と適切な治療とのいずれをも継続的かつ円滑に受けることができるよう、必要な環境の整備その他の必要な施策を講ずるものとする」との条文が加えられました。
一方で、上記3)「難治がん・希少がんへの対策」については、参議院法制局との検討の過程において、法制上盛り込むことが難しく、言葉の定義が明確でない部分もあることから、改正案において盛り込むことは見送り、がん対策推進基本計画において「小児がん・難治がん・希少がん」対策を重点的に進めるよう、議連として申し入れをしていきたいとの結論となりましたが、議連においては与野党各党の議員から、「国のがん対策推進基本計画において、小児がん・難治がん・希少がん対策を柱とすべき」「党の部会でもこれらの対策を入れるよう強い意見があった」「参議院法制局とも協議を重ねた結果、残念ながら入れられなかったが、強い要望は受け止めなければならない」などの意見が相次いでいました。
改正案については、第190回国会(会期:平成28年6月1日まで)では国会での審議日程の確保が困難となったため、提案は見送りとなっていました。その後、議連では改正案について、平成28年9月26日に招集された第192回国会での提出を目指し、改正案の検討と取りまとめを行ってきました。また、厚生労働省「がん対策推進協議会」では国の第3期がん対策推進基本計画の検討が進む中で、難治がんや希少がんの対策とその定義に関する議論が始まりつつあるなど、先の国会で改正案が検討された際よりも状況が進展しています。
これらの状況を踏まえ、本日10月29日付の毎日新聞での報道にあるように、「がん対策基本法改正案」において「治療法が確立していない難治性がん、患者数が少ない希少がんの研究促進が、新たに盛り込まれた」ことは、全国がん患者団体連合会などによる要望や、そして何よりも、議連によるパブリックコメントなどを通じて国会議員に切なる声を寄せられてきた、多くのがん患者や家族などのご意見を、国会議員の皆さまが真摯に受けとめて改正案に反映いただいたたものであるとともに、国のがん対策推進基本計画の議論にも、がん患者や家族の皆さまの切なる声が反映されることにつながると考えます。
今国会では現在、参議院先議による国会への提案に向けた準備が進められています。「がん対策基本法改正案」の成立に向けて、ここまでご尽力をいただいてきた多くの国会議員の先生方に感謝申し上げますとともに、全国がん患者団体連合会では「がん対策基本法改正案」が1日も早く参議院に提案され、今国会で成立するよう改めて強く求めてまいります。引き続き皆さまのお力添えを賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。