一般社団法人全国がん患者団体連合会では、平成28年4月22日付で、ステートメント「がん対策基本法改正案パブリックコメントの実施について」を公開しましたので、ご報告いたします。

本日、4月22日よりパブリックコメントが開始された「がん対策基本法改正案」では、残念ながら全国がん患者団体連合会からの下記要望は反映されませんでした。下記文章をお読みいただき、趣旨にご賛同いただいた皆さまにおかれましては、パブリックコメントにおいて特に「難治性がんと希少がん」「小児がん」「社会的支援」の充実を求めるよう要望をお願いいたします。

がん対策基本法改正案パブリックコメントの実施について

icon_pdf_03がん対策基本法改正案パブリックコメントの実施について(PDF)(全国がん患者団体連合会)

平成28年4月22日
一般社団法人全国がん患者団体連合会

「がん対策基本法改正案」パブリックコメントの実施について

「救える命を救う」ことを目指し、がん対策基本法が2006年に国会で成立してから10年が経過します。基本法の成立により、2007年に施行された国の第1期がん対策推進基本計画以降、各地に国のがん診療連携拠点病院が整備され、日本人に多い主要ながんを中心に対策が進められてきました。

一方で、従来の対策では不十分な分野も多くあり、その中で特に「難治性がんと希少がん」「小児がん」「社会的支援」については取り残されがちな分野であったことから、全国がん患者団体連合会では、超党派議連「国会がん患者と家族の会」で検討されている「がん対策基本法改正案」にこれらの言葉を盛り込むよう、要望してまいりました。

しかし、4月22日に議連より公開され、パブリックコメントが開始された「がん対策基本法改正案」では、残念ながらこれらの要望は反映されませんでした。

難治性がんの患者さんは残念ながら亡くなられることが多く、声を上げることができません。希少がんの患者さんは声が集まらず、小児がんの患者さんは自ら声を上げることが出来ません。しかし、国が進めてきたがん対策の狭間で取り残されてきたのは、まさにこれらの患者さんたちです。これらの患者さんたちを法で救わずして、「救える命を救う」ことを理念として成立したがん対策基本法の精神は、多くのがん患者や家族の皆さまの思いは、いったいどこへ行ってしまうのでしょうか。

また、がん患者は治療が終わった後も、治療に伴う就労を含めた社会的困難に直面し、社会的支援を求めています。全国がん患者団体連合会は、「今国会での基本法改正案の成立」を求めつつも、「がん患者や家族の思いに沿ったがん対策基本法の改正」を改めて要望いたします。また、趣旨にご賛同いただいた皆さまにおかれましては、パブリックコメントにおいて特に「難治性がんと希少がん」「小児がん」「社会的支援」の充実を求めるよう要望をお願いいたします。

【「がん対策基本法改正案」に対する全国がん患者団体連合会からの修正の要望(下線部が追記部分)】

■第2条第4項
がん患者が尊厳を保持しつつ安心して暮らすことのできる社会の構築を目指し、がん患者が、その置かれている状況に応じ、適切ながん医療のみならず、社会的支援、福祉的支援、教育的支援その他の必要な支援を受けることができるようにするとともに、がん患者に関する国民の理解が深まるようにすること。
■第2条第5項
小児がん、希少がん、難治性がんなど、がんの特性に配慮したものとなるようにすること。

【関連ページ】

>>がん対策基本法改正案パブリックコメント(国会がん患者と家族の会ホームページ)