一般社団法人全国がん患者団体連合会では、「がん対策基本法改正案」参議院厚生労働委員会での
審議に関する公開質問状を、日本維新の会に対して提出することとしましたので、ご報告いたします。
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平成28年10月31日

「日本維新の会」国会議員の皆さま

一般社団法人全国がん患者団体連合会
理事長 天野 慎介

「がん対策基本法改正案」参議院厚生労働委員会での審議に関する公開質問状

「日本維新の会」国会議員の先生方におかれましては、平素よりがん対策の推進にご理解とお力添えをいただき、がん患者や家族の立場から心より御礼申し上げます。
超党派議連「国会がん患者と家族の会」で検討されてきた議員立法「がん対策基本法改正案」に関して、「全国がん患者団体連合会」では国会での早期成立を求める要望をしてまいりました。
「がん対策基本法改正案」では、「治療法が確立していない難治性がん、患者数が少ない希少がんの研究促進」「がんの治療に伴う副作用、合併症及び後遺症の予防及び軽減に関する方法の開発」など、がん研究の推進や、「緩和ケアが診断の時から適切に提供されるようにすること」「がん患者が円滑な社会生活を営むことができる社会環境の整備」など、がん患者や家族の身体的、精神的、社会的な苦痛の軽減などに向けた改正が盛り込まれております。「がん対策基本法」改正案は与野党各党がその内容を了承し、参議院厚生労働委員会での審議入りが目前とされてきました。しかし「日本維新の会」が、法案の内容には反対していないものの、参議院厚生労働委員会での審議入りを複数回にわたり拒んでおられることから、参議院厚生労働委員会に「がん対策基本法改正案」を提案し、審議することが出来ない状況であると伺いました。

国会においては、いわゆる「閣法」(内閣が提案する法案)が先に審議され、議員立法が後に審議されるのが通例であるところ、国民の疾病による死亡の最大の原因となっているがん対策推進の重要性に鑑み、議員立法である「がん対策基本法改正案」を先に審議できるよう、与野党各党の国会議員の先生方が一致して調整してこられました。しかし、「日本維新の会」が審議入りを拒んでおられることが事実であれば、与野党各党が一致して推進してきた「がん対策基本法改正案」が成立しなくなり、ひいては日本のがん対策推進に重大な影響が及び得ることが危惧されます。

「がん対策基本法」は2006年に多くの国会議員の先生方、そして多くのがん患者と家族の切なる声から生まれた大切な法律です。がんは2016年には国内で年間およそ101万人が罹患し、およそ37万人が亡くなると予測されています。多くのがん患者や家族が「国のがん対策が進み、救えるいのちが救われること」を望んでいます。上記の状況をふまえ、「がん対策基本法改正案」の参議院厚生労働委員会での審議に関し、参議院厚生労働委員会に所属する「日本維新の会」国会議員並びに「日本維新の会」全ての国会議員の先生方に対して、以下の質問を公開質問状にて伺います。

1.「日本維新の会」が参議院厚生労働委員会において、「がん対策基本法改正案」の提案並びに審議入りを拒まれている理由について、ご回答ください。
2.上記1を踏まえ、国民の疾病による死亡の最大の原因となっているがん対策の推進について、「日本維新の会」がどのような政策をお考えか、ご回答ください。

「日本維新の会」国会議員の先生方におかれましては、重要な国政上の課題を多く抱えられる中で、大変お忙しいところとは拝察いたしますが、本件についてご回答いただくとともに、いまこの瞬間にがんと向き合う多くのがん患者や家族のために、がん対策を速やかに進めていただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

icon_pdf_03「がん対策基本法改正案」参議院厚生労働委員会での審議に関する公開質問状