2016年5月17日に衆議院第2議員会館にて、超党派議連「国会がん患者と家族の会」総会が開催され、「がん対策基本法改正案」について最終の検討が行われ、全国がん患者団体連合会も出席しましたのでご報告いたします。

尾辻秀久参議院議員(議連「国会がん患者と家族の会」代表世話人)によるご挨拶

▲尾辻秀久参議院議員(議連「国会がん患者と家族の会」代表世話人)によるご挨拶

当日は参議院本会議が長引いていたため、衆議院議員の先生方だけが出席される中で総会は始まり、議連事務局長の古川元久先生(民進党)より冒頭のご挨拶と、法案の検討経過について説明がありました。説明の中でパブリックコメントについては、意見の多くは2つに大別され、1つはがん患者に対する「社会的支援」を盛り込むこと、もう1つは「小児がん・難治がん・希少がん」への対策を盛り込むことであったとのことでした。

「社会的支援」については、第2条第4項において新たに「がん患者に関する国民の理解が深められ、がん患者が円滑な社会生活を営むことができる社会環境の整備が図られること」との文言が追記されました。「小児がん・難治がん・希少がん」への対策については、文言に盛り込むよう努力いただいたものの、参議院法制局との検討の過程において、法制上盛り込むことが難しく、言葉の定義が明確でない部分もあることから、基本法改正案において盛り込むことは見送り、がん対策推進基本計画において「小児がん・難治がん・希少がん」対策を重点的に進めるよう、議連として申し入れをしていきたい、と説明がありました。

これに対して、出席議員である堀内照文先生(共産党)、古屋範子先生(公明党)、中島克仁先生(民進党)、大隈和英先生(自民党)(以上、発言順)からは、「国のがん対策推進基本計画において、小児がん・難治がん・希少がん対策を柱とすべき」「党の部会でもこれらの対策を入れるよう強い意見があった」「参議院法制局とも協議を重ねた結果、残念ながら入れられなかったが、強い要望は受け止めなければならない」などの意見が相次いで出ました。また、出席した私たち全国がん患者団体連合会からも、重ねて要望いたしました。これを受けて、厚生労働省健康局がん・疾病対策課長からは「がん対策推進協議会とがん対策推進基本計画は、がん対策基本法に基づくものであり、その基本法を検討する議連での議論を尊重し、次期計画でも取り上げて政策につなげていきたい」との回答がありました。

基本法改正案は議連において了承され、最後に、参議院本会議のために遅れて到着した、議連の代表世話人である尾辻秀久先生(自民党)から今国会成立に向けたご挨拶があり、閉会となりました。4月22日にパブコメが開始された時点では入っていなかった「社会的支援」と「小児がん・難治がん・希少がん」対策について、前者は基本法改正案において反映され、後者は基本法改正案では反映されなかったものの、与野党の議員の先生方が一致して、今後議連としてがん対策推進基本計画や政策で重視していくとの結論に至ったことは、今回の要望活動でご尽力いただいた患者団体の皆さまと、それを真摯に受け止めご尽力くださった与野党の議員の先生方、そして何よりパブリックコメントをお寄せいただいた多くのがん患者とご家族の皆さまのお力添えによるものです。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。

今後の基本法改正案の国会での審議についてですが、6月1日の会期末まであとわずかとなり、今国会での成立はもともと綱渡りであったものが、さらに厳しくなっています。「救える命を救う」ことは待ったなしであることから、全国がん患者団体連合会では今国会での成立を求めて、引き続き要望をしてまいります。

なお下記写真は、当日の議連にご出席いただき、私たち全国がん患者団体連合会からの要望にお力添えをくださった先生方との本日の写真です。参議院は本会議が長引いたため、参議院議員の先生方のほとんどはご出席が出来ず、政務でご出席出来なかった先生方がたくさんいます。ここに写っていない多くの国会議員の先生方から、ご尽力とお力添えをいただいていることも申し添え、ここに感謝申し上げます。

総会にて。全国がん患者団体連合会からの要望にお力添えをいただいた議員の先生方と共に。右より、轟浩美氏(スキルス胃がん患者会「希望の会」副理事長/全国がん患者団体連合会加盟団体)、古川元久先生(議連事務局長)、尾辻秀久先生(議連代表世話人)、古川俊治先生(自民党厚生労働部会長)、天野慎介(全国がん患者団体連合会理事長)

▲総会にて。全国がん患者団体連合会からの要望にお力添えをいただいた議員の先生方と共に。右より、轟浩美氏(スキルス胃がん患者会「希望の会」副理事長/全国がん患者団体連合会加盟団体)、古川元久先生(議連事務局長)、尾辻秀久先生(議連代表世話人)、古川俊治先生(自民党厚生労働部会長)、天野慎介(全国がん患者団体連合会理事長)

総会にて。全国がん患者団体連合会からの要望にお力添えをいただいた尾辻秀久先生(議連代表世話人)と共に。右より、松本陽子(全国がん患者団体連合会副理事長)、轟浩美氏(スキルス胃がん患者会「希望の会」副理事長/全国がん患者団体連合会加盟団体)尾辻先生、天野慎介(全国がん患者団体連合会理事長)

▲総会にて。全国がん患者団体連合会からの要望にお力添えをいただいた尾辻秀久先生(議連代表世話人)と共に。右より、松本陽子(全国がん患者団体連合会副理事長)、轟浩美氏(スキルス胃がん患者会「希望の会」副理事長/全国がん患者団体連合会加盟団体)尾辻先生、天野慎介(全国がん患者団体連合会理事長)

総会にて、全国がん患者団体連合会からの要望にご理解とお力添えをいただき、「小児がん・難治がん・希少がん対策」の必要性について議連でご発言いただいた古屋範子先生と共に。右より、轟浩美氏(スキルス胃がん患者会「希望の会」副理事長/全国がん患者団体連合会)、古屋先生、天野慎介(全国がん患者団体連合会理事長)

▲総会にて、全国がん患者団体連合会からの要望にご理解とお力添えをいただき、「小児がん・難治がん・希少がん対策」の必要性について議連でご発言いただいた古屋範子先生と共に。右より、轟浩美氏(スキルス胃がん患者会「希望の会」副理事長/全国がん患者団体連合会)、古屋先生、天野慎介(全国がん患者団体連合会理事長)

総会にて。全国がん患者団体連合会からの要望にご理解とお力添えをいただき、「小児がん・難治がん・希少がん対策」の必要性について議連でご発言いただいた中島克仁先生と共に。右より、轟浩美氏(スキルス胃がん患者会「希望の会」副理事長/全国がん患者団体連合会)、中島先生、天野慎介(全国がん患者団体連合会理事長)

▲総会にて。全国がん患者団体連合会からの要望にご理解とお力添えをいただき、「小児がん・難治がん・希少がん対策」の必要性について議連でご発言いただいた中島克仁先生と共に。右より、轟浩美氏(スキルス胃がん患者会「希望の会」副理事長/全国がん患者団体連合会)、中島先生、天野慎介(全国がん患者団体連合会理事長)

総会にて、全国がん患者団体連合会からの要望にご理解とお力添えをいただき、「小児がん・難治がん・希少がん対策」の必要性について議連でご発言いただいた堀内照文先生と共に。左より、轟浩美氏(スキルス胃がん患者会「希望の会」副理事長/全国がん患者団体連合会)、堀内先生、天野慎介(全国がん患者団体連合会理事長)

▲総会にて、全国がん患者団体連合会からの要望にご理解とお力添えをいただき、「小児がん・難治がん・希少がん対策」の必要性について議連でご発言いただいた堀内照文先生と共に。左より、轟浩美氏(スキルス胃がん患者会「希望の会」副理事長/全国がん患者団体連合会)、堀内先生、天野慎介(全国がん患者団体連合会理事長)